入船地蔵尊 [新潟の花街]
新潟の街は、白山神社を起点にして始まります。
たとえば、古町通り一番町、二番町と南から北へ向かいます。
本町通も一番町からはじまり、十四番町まで延々と続きます。
本町通十四番町の突き当たりに「入船地蔵尊」があります。
いまは浄土宗の浄信院と言いますが、天明の大飢饉の死者供養のために建てられたといいます。
入船地蔵を正面に望む通りが、かつて新潟の遊郭でした。
いまはその面影もなく、最後の妓楼の建物も2000年代の初め取り壊されたそうです。
今は文学作品等でその面影を偲ぶしかなさそうです。
伊東整の「若き詩人の肖像」(講談社文芸文庫)に大正時代の情景の描写があります。
「新潟の遊郭は、長崎とともに全国でたった二つ、張見世が許されているところだから、一度は見ておいたほうがいい、・・・張見世というのは、他の遊郭のように遊女の写真を入り口に掲げておくのでなくって、遊女が格子の内側に並んでいるので、それが昔からの遊郭の形式なのだ。」と、情景の記述があります。
殿山泰司の「三文役者のニッポンひとり旅」(ちくま文庫)にも「十四番地老情」として出来てきますね。
でも、この通り、電柱の立っている位置がおかしいと思いませんか。
2009-07-12 20:47
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