SSブログ

湊町酒田を歩く3(鶴岡・酒田への旅) [新潟県外への旅]

DSCN0266_640.jpg


酒田への旅の目的地のひとつがこれです。
そこは、酒田の市街地からバスにのり、最上川を渡り、しばらく走った丘陵地にありました。

DSCN0237_640.jpg
池のほとりに建つ建物は「土門拳記念館」です。
昭和時代を代表する写真家土門拳はこの酒田に生まれました。

土門拳という写真家を知ったのは学生時代でした。
それは「ヒロシマ」であり、「筑豊のこどもたち」でした。

「ヒロシマ」では、土門拳が主張した「社会的リアリズム」の写真に衝撃を受けたものです。
「ヒロシマ」では、土門はこう述べています。
『広島へ行って驚いた。これはいけない。と狼狽した。ぼくなどは「ヒロシマ」を忘れていたのではないというより、実ははじめから何も知ってはいなかったのだ。』

「筑豊のこどもたち」では、社会的リアリズムに加えて、そこで生きるこどもたちの表情をよくとらえています。
土門の言う「絶対非演出の絶対スナップ」を実感しました。
被写体の子供たちに、カメラを意識した表情は見られません。


DSCN0245_640.jpg


というわけで、酒田では、外せないスポットです。
館内では、大きく引きのばれた写真に感動しました。
写真集では見られない迫力で迫ります。
館内の入口近くに展示されていた琵琶湖の写真などは、まるで絵画のような印象です。

それらの写真を紹介できないのは残念ですが。

DSCN0263_640.jpg


土門の年譜を見ると、昭和19年(35歳)のところに次のような記述があります。
「3月、三女生まれる。6月、土浦海軍航空隊で予科練を撮影する。12月、防空壕を掘り、文楽の乾板などを収納する。この時期、仕事は全くなく、家族を養うため蔵書を売る。」
(別冊「太陽」鬼が撮った日本・土門拳)

その予科練の撮影を題材としたノンフィクションを最近読みました。
「土門拳が封印した写真・土浦海軍航空隊の日々」という本です。
興味深く読みました。

そのなかでの予科練生の述懐です。
「上官に命令されるなら納得もしますが、民間人のカメラマンですよ。土門さんは、訓練のやりなおしをしつこく何度もいわれ、無性に腹がたったことだけは覚えています。」

鬼の土門の面目躍如です。

土門拳が封印した写真

土門拳が封印した写真

  • 作者: 倉田 耕一
  • 出版社/メーカー: 新人物往来社
  • 発売日: 2010/07/10
  • メディア: 単行本




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。