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三国街道塩沢宿を歩く(鈴木牧之) [新潟県内の旅]

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前回に引き続き、三国街道塩沢宿の牧之通りを歩いています。
ところで通りの名前の由来となっている鈴木牧之という人物をご存じですか。
「北越雪譜」という本の著者なのですが。
雪国の生活や風俗などを紹介した本です。
江戸時代の人です。

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民家に飾られている越後上布です。
塩沢は塩沢紬、越後ちぢみなどの織物産地でした。
牧之はその塩沢で縮布の仲買を営んでいました。
魚沼で買い集めた縮布を江戸へ運び売りさばく商売です。
雪国越後とはずいぶんと異なる江戸の町の生活や風俗に触れることにより、越後の生活・風俗を世間に紹介しようという気持ちが芽生え、それが北越雪譜の刊行につながったわけですね。

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縮布を織るのは、冬場の女たちの仕事でした。
縮布を織る女たちは、1反を織りあげるに、24,484度も手を動かさなけれならないと牧之は計算しています。
忍耐が求められる仕事なのです。

牧之の北越雪譜の刊行もすんなりとは行きませんでした。
思い立ってから30年以上もかかって刊行にいたったのです。
一地方人の書物を刊行しようという書肆はありません。
そこで山東京伝に依頼しましたが、多忙で手がつかないうちに死亡しています。
次に滝沢馬琴に依頼しますが、八犬伝の執筆に追われ、着手がされません。
このような紆余曲折を経て、京伝の弟京山の協力でようやく発刊に至ったのです。

その忍耐力は雪国の人の資質なのでしょうか。
冬の間、縮を織り続ける機織り女の忍耐強さにも共通するように思います。

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牧之通りには、鈴木牧之の生家跡があります。

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「北越雪譜」初編上中下3巻は天保7年に、書肆、大坂河内屋茂兵衛と江戸丁字屋平兵衛から発行されました。
出版されるや、大評判となりベストセラーとなりました。

写真は鈴木牧之の生家跡の家のシャッターに描かれた北越雪譜の挿絵です。
挿絵は京山の子、京水が描いています。

天保13年には第2編が刊行されました。

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牧之は、さらに続編の刊行を志しましたが、天保13年5月に亡くなりました。
牧之の菩提寺、塩沢の長音寺です。

「されば暖国の人のごとく初雪を観て吟詠遊興のたのしみは夢にもしらず、今年も又此の雪中に在ることかと雪を悲しむは辺郷の寒国に生まれたる不幸というべし。雪を観て楽しむ人の繁花の暖地に生まれたる天幸を羨まざらんや。」

北越雪譜 (地球人ライブラリー)

北越雪譜 (地球人ライブラリー)

  • 作者: 鈴木 牧之
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1997/05
  • メディア: 単行本



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