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庄内屋シンの雛人形 [新潟のお酒]

DSCF6838_640.jpg今の時期、新潟市内のあちこちで、旧家の雛人形が展示されています。
その中で私の興味を引いたのは、砂丘館に展示されている雛飾りでした。
伝説の新潟芸妓と呼ばれる、名妓「庄内屋シン」所有の雛人形です。
昨日までの雪催いの天気から、一転して青空が広がる午後、散歩がてら、砂丘館まで足を延ばしました。

なんと気品に満ちたお顔の雛人形でしょう。


DSCF6833_640.jpg二階の座敷一杯に雛人形が飾られています。
これは明治時代の京雛です。
古今雛と言われる七段飾りの豪華なお雛様です。

この隣りにはやはり、シンが所有していた、四段飾りの江戸雛が展示されていました。
持ち物や人形の顔立ちが微妙に異なっています。
私は京雛に惹かれます。






DSCF6834_640.jpg

お道具の箪笥です。
小さいながらも精巧に作られています。
牡丹唐草の蒔絵が施された豪華な箪笥です。
引き出しには彩り鮮やかな中身がぎっしり詰まっています。
錦でしょうか。

会場で貰った解説には、シンは「美しいものを見極める目を持った、とても上品な人」と紹介されています。
明治期に発刊された「新潟芸娼妓略伝」では、庄内屋シンを次のように紹介しています。
「容顔極めて美しく色は白雪を欺き、梨花一枝春雨を帯る風姿あり。長唄を能し見る人其愛すべきを覚ゆ。当時最も流行の芸妓なり。」
さきほどのお雛様のお顔のようではありませんか。

DSCF6825_640.jpg

四段飾り、七段飾りはお雛様の話ですが、
こちらの四段、六段はお酒です。
左は新発田の菊水四段仕込、
右は長岡摂田屋吉乃川の六段仕込みです。
七段飾りの京雛と四段飾りの江戸雛が左右に並ぶ姿も絢爛でしたが、
こちらもなかなか豪華です。
白酒かわりにご馳走になります。

どちらのお酒も、新潟のお酒にしては珍しく甘口のお酒でした。




段仕込み:日本酒の製造工程で、酒母に麹と米を加え、モロミを作る工程を仕込みと言う。初添え、中添え、留め添えの三段階を経ることにより、発酵が進みアルコール度が上がって行く。通常は三段仕込みである。かつて今代司の見学をした際に段仕込みの数が多いほど良いのかと質問したら、そういうものでもないとの回答であった。今回のお酒はどちらも甘口でした。そうなってしまうのでしょうか。吉乃川のラベルには日本酒度-1と表示してありました。

新潟芸妓の世界―古町花街百年外史 (1973年)

  • 作者: 新潟日報事業社
  • 出版社/メーカー: 新潟日報事業社
  • 発売日: 1973
  • メディア: -

 


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