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だんご屋放浪記(3)さわ山(新潟市中央区) [新潟の食べ物]

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「さわ山」は大正年間の創業というそうですから、老舗といっていいでしょう。
場所は多少不便なところにあります。
新潟市中央区夕栄町に所在します。
夕栄町は、かつて遊郭のあった本町通り14番町の近くです。
多くの場合、遊郭は風紀上の理由から町はずれにつくられたものです。
ということから、この店のローケーションを想像してみてください。

市の中心部を起点とすると不便な立地にもかかわらず、次から次へとお客さんが来ていました。
それも車で乗り付けて買って行く人たちが多いのです。
期待が高まる光景ではありませんか。

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この店の看板商品のひとつ「元祖そら豆ようかん」とお店の包装紙です。
食べるとそら豆の香がします。
生地に刻んだそら豆が見えますね、歯ざわりは水羊羹のような感じでした。
9月から5月までの商品だそうです。

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右は「名代だいふく」、左は「ごぼうだんご」です。
この店の大福は皮はこれ以上薄くしたら破れてしまうのではないかと思われるほど、極限まで薄くした「薄皮大福」です。
この薄さは餅の歯ごたえを味わおうという人には期待外れとなるかもしれません。
人により賛否両論となりそうな味わいですが、訪れたお客さんは殆どの人がこれを注文していました。
餡はつぶ餡でした。

「ごぼうだんご」は、小豆餡の代わりにきんぴらごぼうが入っています。
餡と言えば小豆餡というのは、どうも固定観念のようですね。
鎌倉時代、禅宗とともに伝わった点心には、羊羹、饅頭など今日の和菓子の代表となる食べ物がありましたが、
その中に「菜饅頭」というのもあったそうですから。

ところで、大福の始まりは、江戸時代に遡ります。
明和8年、江戸の小石川に住むお玉という後家さんが、小豆餡を餅の皮に包み「お多福餅」と名付けて夜の町で、振り売りしたのが始まりとされます。

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写真右は「笹もち」、左は「草もち」です。
笹餅は本物の笹の葉に包んでありました。
和菓子では、植物の葉で餅を包む菓子も多いですね。
笹だんごはもちろんですが、思いつくだけでも、粽、桜もち、柏餅などあります。

餅菓子というのはもち米を搗いた餅のお菓子でしょう・・と単純に思っていました。
しかし、餅菓子放浪をするうちに、そうでもないことが徐々に分かってきました。
始末が悪いことに、深みに嵌りそうです。

とりあえず、備忘録代わりに、メモっておきます。
餅米を搗いたお餅より、肌理の細やかさが求められる和菓子では、米粉が主に用いられます。
米粉といっても「もち米」、「うるち米」を原料として以下のような粉を使い分けるそうです。

「もち粉」 もち米を洗って挽いて粉にしたもの、大福や求肥に使われる。
「白玉粉」 もち米を洗って、長時間水に漬け、水を加えて磨り潰し、水にさらして乾燥させた米粉。鶯餅などに使われる。
「道明寺粉」 もち米を水につけ粒のまま蒸して乾燥させたもの。桜もちに使われる。
「上新粉」 うるち米を洗い、乾かしたのち粉に挽いたもの。団子、草餅、柏餅。
「上用粉」 うるち米、上新粉より細かく挽いたもの。つくね芋などを加え薯蕷饅頭の皮に使われる。

さて、これらをうまく味わい分けることができるか。
これからが正念場です。

教訓その2:午前中に買いに行くこと。(日持ちのしないお菓子ですので、常に売り切れの危険性と背中合わせになっています。)


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